事例のポイント
こちらの企業様では、輸送管理システムの老朽化に加え、さまざまな帳票を手作業で突合しながら経営分析を行っており、多大な労力が課題となっていました。 そこで、新たに再構築したシステムからBIツールへ分析データを自動連携させる仕組みを構築。これにより、帳票の突合作業を不要とし、経営状況の正確な分析と業務の省力化を実現しました。 その結果、積載率の最適化や予実管理の精度向上にもつながっています。
海上輸送事業者のY社様は、長年にわたり自社独自の輸送管理システムを構築・運用してきましたが、老朽化に伴い、その再構築を行うこととなりました。
このプロジェクトでは、旧システムの機能を単純に新システムへ移行するだけでなく、以下のような輸送・経営状況の可視化を、より簡便な仕組みで実現したいという新たなご要望も含まれていました。
・輸送状況の把握
・荷主ごとの輸送実績
・実船率(輸送能力に対する積載率)
・売上進捗の確認(予実管理)
しかし現状では、これらの情報を得るために、旧システムから出力される複数の帳票を手作業で突合・分析する必要があり、多大な時間と労力を要している状況にありました。
これらの課題を解決するため、クライアント社内では、多角的な視点での分析を可能にし、データを視覚的に把握できるBIツール※4の導入が検討されていました。
当社では、構築中の輸送管理システムにおいて、先述の各項目を分析するために必要なデータを、どのような形式で取得し、どのタイミングでBIツールに提供できるかを調査・検討しました。
その結果として、連携するデータの種類・内容・連携方法についてご提案しました。
開発は以下のステップで進めました。
① 分析に必要な項目の洗い出し
輸送状況や輸送実績など、課題として挙がっていた分析項目に対し、必要となる情報を整理しました。
② データテーブル※5の確認
分析に必要な情報が、どのデータテーブルに存在し、どのタイミングで作成・更新されるのかを確認しました。
あわせて、BIツール側で扱いやすくするために、データの集約単位についても検討しました。
③ 連携方法の検討
BIツールへのデータ連携にあたっては、データベース経由でのCSVファイル※6による受け渡し方式を採用。
定期バッチ処理※7により、ファイル形式に合わせたデータの編集および受け渡しが可能な仕組みを構築しました。
今回のシステム開発により、以下の成果を実現しました。
① 正確かつタイムリーな状況分析
定期バッチ処理により、データテーブルを自動的に検索・データ収集し、BIツールへの受け渡しに適した形式へ編集・加工する仕組みを構築しました。これにより、常に正確かつ最新の情報を可視化できるようになりました。
例えば、自動車の海上輸送においては、メーカー別の輸送中台数や、航路上の各港における積載可能台数を見える化することで、実船率を100%に近づける運用が可能となり、売上や利益の予算・実績管理も容易になりました。
② 状況分析にかかる労力の削減
従来は、帳票から必要な情報を拾い集め、Excelなどに転記して分析する必要があり、多大な労力と経験が求められていました。
今回のシステムにより、必要なデータが自動で収集・整理され、BIツール上で即座に確認できるようになったことで、分析の正確性と業務の省力化を同時に実現しました。
※1 Java:汎用性の高いプログラミング言語であり、Webアプリケーションやエンタープライズシステムの開発に広く利用されています。
※2 JavaScript:Webページに動きを加え、ユーザーの操作に応じた処理を行う言語です。主な用途には、フォームの制御、アニメーションの表示、非同期通信などがあります。
※3 ORACLE: データベース管理システム(DBMS)の一つで、大規模なデータ管理に適しています。
※4 BIツール:データを収集・分析・可視化し、経営戦略や業務改善に活用するためのソフトウェア。データの「見える化」や分析に役立ちます。
※5 データテーブル:表形式でデータを整理・格納したもの。データベース内での情報管理の基本単位です。
※6 データベース経由でのCSVファイル:受渡用の情報を、一旦連携用のデータテーブルに格納し、そこからCSVファイルとして外部に出力する方式のことです。
※7 バッチ処理:夜間などに一連の処理をまとめて自動実行する方式。定期的なデータ更新やファイル出力などに用いられます。
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