事例のポイント
こちらの企業様では、顧客情報の共有が十分に行われておらず、手作業による見積作成や基幹システムへの二重入力が発生し、業務に多くの手間とミスを伴っていました。 そこで、顧客情報の管理から見積作成、基幹システムへのデータ連携までを一元化するWebシステムを構築しました。 これにより、見積作成にかかる工数を大幅に削減するとともに、全社での情報共有が促進され、営業活動全体の効率向上を実現しました。
建材・住宅設備の販売および施工を手掛けるC社様では、顧客管理および受注前後の業務プロセスにおいて、以下の課題を抱えていました。
① 顧客管理および見積作成に関する課題
顧客からの問い合わせから受注に至る商談管理がデータベース化されていなかったため、営業担当者は過去の取引履歴や顧客情報を迅速に把握できず、顧客対応に時間を要していました。
また、見積書は手作業で作成していたことから作成に時間がかかり、営業担当者ごとに記載内容のばらつきも見られていました。
② 受注後の業務プロセスに関する課題
受注後には基幹システム※3へのデータ手入力が必要であり、業務には多くの時間と手間がかかっていました。
さらに、数十万件に及ぶメーカーのカタログデータを扱う中で入力ミスが頻発し、修正作業にも多くの工数が必要となるなど、手作業による限界が顕在化していました。
当社では、これらの課題を解決するため、以下の2つの観点から提案しました。
①見積管理システムの構築による営業支援
問い合わせから受注までの一連の業務プロセスにおいて営業担当者を支援するため、見積管理システムの構築を提案しました。このシステムは、顧客情報の登録から商談経過の追記までのデータ入力を可能にし、全社で共有可能な顧客情報データベースとして機能します。
②見積作成の効率化と基幹システムへのデータ連携
見積管理システムに、メーカーのカタログデータをマスタ※4化し、以下の2機能の導入を提案しました。
・製品入力と同時に、単価や名称を自動設定する機能
・見積データから受注データを自動生成し、基幹システムへ連携する機能
これにより、見積作成時間の大幅な短縮と営業担当者の負担軽減を図り、手入力によるミスを抑制することで、業務全体の効率向上を実現できます。
開発は以下のステップで進めました。
①現行業務の調査分析とシステム化範囲の決定
商談発生時の問い合わせから受注までの業務内容を詳細にヒアリングし、システム化が可能な業務領域を洗い出しました。この際、業務効率化の効果が高いプロセスを優先的に抽出することで、システム化の対象範囲を明確に定義しました。
②システム化要件の確認と機能定義
ヒアリング結果をもとに、システムに必要な要件を整理し、具体的な機能定義を行いました。この過程では、システムズエンジニアリング※5の視点を踏まえつつ、業務上の目的や課題(=ビジネス要求)と、それに対応する機能(=システム要求)の関係性を追跡できるようにトレーサビリティ※6を確保。これにより、要件の漏れや乖離を防止し、業務効率化を実現可能とする基本設計を構築しました。
今回のシステム開発により、以下の成果を実現しました。
①全社共有データベースの構築と情報の一元化
新システムの導入により、顧客情報を一元管理する仕組みを整備し、全社で共有可能な顧客情報データベースを構築しました。 これにより、営業担当者は過去の取引履歴を容易に参照できるようになり、顧客対応のスピードと質の向上を実現しました。
②見積書作成工数の削減
見積書の作成をシステム化したことで、手作業と比較して大幅な作業時間の削減を達成しました。 その結果、営業担当者は顧客対応や新規営業活動に充てられる時間が増加し、営業全体の効率向上につながりました。
③将来的な拡張性と柔軟性の確保
Webシステム※7として構築したことで、タブレットやスマートフォンを活用し、外出先からのシステム操作が可能になりました。 これにより、営業担当者は場所にとらわれずに見積作成や顧客対応を行えるようになり、機会損失の防止と提案スピードの向上を実現しました。
※1 Java:汎用性の高いプログラミング言語です。Webアプリケーションやエンタープライズシステムの開発に広く利用されています。
※2 独自フレームワーク:特定のシステム開発において、自社独自のルールや機能に基づいて構築された開発基盤のことです。
※3 基幹システム:企業の中核業務を支えるシステムです。販売管理、生産管理、会計などの業務を担当するシステムが該当します。
※4 マスタデータ:顧客情報や製品情報など、業務の基盤となる共通データのことです。変更頻度は低く、多くの業務で参照されるため、正確な管理が重要です。
※5 システムズエンジニアリング:システムの成功を目指して、複数の専門分野にまたがって取り組む体系的な開発アプローチです。
※6 トレーサビリティ:要求の追跡可能性を指します。ビジネス要求がシステム要求にどのように反映されているかを明確に管理することで、設計上の整合性や変更対応を可能にします。
※7 Webシステム:インターネットを介して利用するシステムです。Webブラウザさえあれば、場所や時間を問わずにアクセス可能な特長を備えています。
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