自動車関連部品の素材調達管理システムの構築

  • ユーザー業種
    製造メーカー:自動車関連部品
  • 言語・要素
    VB.Net※1、ORACLE※2
  • 従業員規模
    1,000名以上
  • 開発期間
    1年6ヵ月

事例のポイント

こちらの企業様では、基幹システムとExcelによる手作業が混在した素材調達プロセスにおいて、業務の非効率化や承認遅延といった課題を抱えていました。 この対応策として、見積依頼から承認までを一貫して管理できるWebシステムを新たに構築。これにより、手作業プロセスを排除し、調達業務の工数を大幅に削減するとともに、業務プロセス全体の効率化を実現しました。

課題・背景

自動車部品製造メーカーであるB社様では、製造部品の素材調達業務において、調達指示と価格登録は既存のホストコンピュータ※3上で実施していた一方、中間工程である見積依頼から結果登録まではExcelなどによる手作業に依存していました。

この運用方式により、1件の調達業務を完了するまでに多くの時間と工数を要しており、業務効率の向上が重要な課題となっていました。とくに、手作業によるデータ管理の煩雑さと、承認プロセスにおけるタイムラグの発生が、調達業務全体のボトルネックとして顕在化している状況でした。

提案

当社では、B社様の調達業務における課題を解決するため、新たなWebシステム※4の構築を提案しました。
以下の4つの施策により、手作業による非効率性の排除と業務プロセスの標準化・高速化を図ることを目指すものです。

①ASP.Net(VB.Net)※5によるWebシステムの構築
 社内ネットワーク環境であれば端末を問わずアクセス可能なシステムを構築することで、業務の柔軟性と効率性を向上させる。

②帳票業務のシステム化による標準化・ペーパーレス化
 これまで手作業で作成していた帳票類をシステム上でデータ管理・自動出力できるようにし、業務の標準化とペーパーレス化を推進する。

③価格承認フローのシステム化によるタイムラグの解消
 従来手作業だった承認プロセスをシステム内で完結できるフローに再構築し、承認にかかる時間を短縮して業務停滞の原因を解消する。

④ホストコンピュータとのバッチ処理※6連携
 既存の基幹システムとバッチ処理によるデータ連携を自動化することで、転記ミスを防止しつつ、基幹データをWebシステム上で取り扱える環境を整備する。

開発の進め方

開発は以下の点を重視して行いました。

①3STEP稼働※7によるリスク低減
 開発工程を複数の段階に分け、各STEPでの動作検証と機能連携テストを実施しました。これにより、後半工程で発生しがちな仕様不整合や手戻りを未然に防止し、失敗リスクとコスト増加を最小限に抑えることができました。

②ユーザー参加型の開発
 各設計工程で担当者へのヒアリングを継続的に実施しました。実際の利用者ニーズを反映させることで、業務現場で使いやすく、実用性の高いシステムを構築しました。

③情報システム部との伴走支援
 当社から常駐者を派遣し、導入・運用フェーズにおいて継続的なサポートを提供することで、システムの早期定着と業務への効果的な活用を促進しました。

結果

新しいシステムの開発・導入により、以下の成果を実現しました。

①調達工数の削減
 見積依頼から結果登録、サプライチェーンへのデータ送受信までを一連でシステム化することで、従来手作業で行っていたプロセスの業務負荷を大幅に削減しました。

②業務効率の向上
 複雑なデータ入力条件を持つVBA※8付きExcel帳票もシステムから自動出力可能としたことで、素材調達業務の全工程をシステム上で一貫して進行できるようになり、プロセス全体の業務効率が大幅に向上しました。

用語の補足

※1 VB.Net(Visual Basic .NET):Microsoftが提供するプログラミング言語で、VB6の後継にあたります。.NET Framework上で動作し、保守性・堅牢性に優れた業務系システムの開発が可能です。
※2 ORACLE:大規模なデータ管理に適した**データベース管理システム(DBMS)**の一つです。処理性能・信頼性に優れ、業務系システムの基盤として広く利用されています。
※3 ホストコンピュータ:企業の基幹業務に用いられる、大規模な情報処理能力を備えたコンピュータシステムです。安定性・信頼性が求められる場面で使用され、長期間の業務運用に耐えられる設計が施されています。
※4 Webシステム:インターネットを介して利用するシステムです。Webブラウザさえあれば、場所や時間を問わずにアクセス可能な特長を備えています。
※5 ASP.NET(VB.NET):マイクロソフトのWebアプリ開発向けフレームワーク「ASP.NET」を、プログラミング言語「VB.NET」で使ったものです。画面の動きや処理をVB.NETで記述します。
※6 バッチ処理:複数のデータ処理を一括で実行する方式で、主に夜間や業務時間外に大量の処理を自動で行う場面で活用されます。業務負荷の分散と、定型作業の自動化による効率化に寄与する仕組みです。
※7 3STEP稼働:システム開発を複数段階に分割し、各段階で動作検証と連携テストを実施する運用手法です。これにより、工程後半での仕様不整合や手戻りリスクを低減し、安定的な開発進行を実現します。
※8 VBA(VisualBasicforApplications):MicrosoftOffice製品に組み込まれているマクロ言語。Excelなどの操作を自動化し、複雑な帳票生成やデータ処理を実現できます。

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