事例のポイント
こちらの企業様では、Internet Explorer上でしか動作しない勤怠管理システムの運用に対策の必要性を感じるとともに、働き方改革等を踏まえて勤務体系が多様化するなか、Excelや紙媒体との併用による勤怠情報の分散が課題となっていました。そこで、業務や勤務体系等の実態を踏まえたスクラッチ開発により、EdgeやChromeなどあらゆるWEBブラウザ上で動作する新たな勤怠管理システムを再構築しました。これにより、多様な媒体からの勤務報告が可能となり、勤怠情報の入力効率化と一元管理を実現することができました。
製造・販売業を営むH様では、ローコード/ワークフロープラットフォーム※3上に構築された勤怠管理システムの利用を続けてきましたが、Internet Explorer でしか正常に動作しないという制約がありました。足元では、EdgeのIEモードで運用を継続していたものの、Windows OS のアップデートにより将来的に利用継続ができなくなる懸念がありました。
加えて、働き方改革等を踏まえた勤務体系の多様化に現行システムが対応しておらず、社員の一部ではExcel、紙媒体での勤怠管理を必要とする運用となっていました。この結果、勤怠情報が分散し、正確性や一貫性の確保も課題となっていました。
勤怠管理システムの再構築にあたっては、パッケージ製品の導入も検討されましたが、次の理由から導入が困難でした。
① 社員によって日給制・月給制が混在する独自の勤務体系があり、一般的・画一的な勤務体系を前提としたパッケージ製品の仕様では実態と合わない
② 勤怠システムに求める機能は「出退勤時刻」と「勤務区分」の正確な記録に限られており、機能を幅広く備えるパッケージ製品ではオーバースペックとなり、費用対効果が見合わない
こうした背景のもと、当社へ勤怠管理システム再構築のご依頼をいただきました。
当社は、これらの課題を解決するため、以下の提案を行いました。
① あらゆるWEBブラウザ上で動作可能な勤怠管理システムのスクラッチ開発
独自の勤務体系や必要機能が限定的である点を踏まえ、パッケージ製品ではなく、現行システムの操作性を踏襲したスクラッチ開発※4を行う。現行ブラウザ(Microsoft Edge)を含め、あらゆるWEBブラウザ上で安定して動作する構成とする。
② 勤務情報の入力効率化・一元管理
勤務体系の実態に沿った機能追加・改修を行い、Excelや紙媒体で管理していた情報をシステムへ統合するとともに、多様な媒体からの勤怠報告を可能とすることで、入力負荷の軽減と情報の一元管理を実現する。
開発は以下のステップで進めました。
① 現場・管理部門へのヒアリングによる要件整理
実作業者(現場)と管理部門(本部)の双方へのヒアリングを実施し、現行システムの運用方法や課題を整理しました。そのうえで、勤務体系の実態に照らし合わせながら、必要な機能や不要な機能、改修箇所を明確にし、設計の土台を構築しました。
② 現行システムの徹底調査・仕様解析
ソースコードや画面設計書、詳細設計書、帳票定義書等の提供を受け、既存システムの仕様の把握と構造の整理を行いました。そのうえで、操作の前提となるデータの確認や、入力から帳票出力、連携データ出力などの操作を一通り行い、挙動を確認しながら詳細な調査を実施しました。資料と実際の動作を突き合わせることで、業務や勤務体系の実態に即した精度の高い設計を実現しました。
③ 設計差異の整理と合意形成
調査の過程では、設計書と実際の挙動に差異が見られる箇所も確認されました。これらについては都度お客さまに確認を行い、「どちらを正とするか」について合意を得ながら開発を進行することで、手戻りのない設計を徹底しました。
④ 段階的な検証と継続的な認識合わせ
開発状況を段階的に確認いただきながら、使用感や業務適合性を検証しました。また、定期的な進捗報告を通じて実装機能と要望とのズレを随時調整し、品質の確保とスムーズな開発進行を実現しました。
今回のシステム開発により、以下の成果を実現しました。
① 勤怠情報の一元管理による正確性向上
Excelや紙媒体で管理していた情報の統合を含め、勤怠情報を新たなシステムに一元化したことで、情報の分散を解消し、転記ミスや入力漏れを削減しました。
② 業務や勤務体系の実態に即した設計による効率化
業務フローをシステムに合わせるのではなく、システムを業務フローに合わせる設計により、業務や勤務体系の実態を踏まえた仕様とし、運用を大きく変更することなく、スムーズな移行を実現しました。
③ 柔軟なシステム基盤の整備
特定ブラウザのみでの動作が可能であったシステムを、ブラウザやOSに左右されない設計・構成と、標準化された運用・データ処理の仕組みで再構築しました。これにより、あらゆる媒体からの勤怠報告の入力を可能とする柔軟なシステム基盤を整備しました。
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